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2008/11/18 (Tue)
――想いは果てることなく


あなたが私の前から消えてから、数え切れないほどの時が流れました。
かつての友は、あなたを裏切り者だと罵り、親しかった者達もしだいにあなたの存在を忘れていった。
あなたに罪など無い。あるはずがないというのに。

私は探しました。
共に道を歩み、夢を誓い合ったあなたを。

そして、やっと見つけたあなたは、私を拒絶した。

『僕を忘れて』

そうあなたは言った。

けれど、忘れられるわけがないでしょう。

ずっと望んでいた。
あなたに会うことを、あなたの傍にいることを。

その言葉ほど、私を傷つけるものはありません。

「あなただけが・・・・・・」

――あなただけが、私の光なのに!

神が私達の父であり、道であり、絶対の存在であっても、私の光はあなただけなんです。
光を失ってしまった私はどうすればいいのです。

あんな暗くて、寒くて、淋しい場所にいるあなたを見つけてしまったら、離れることなんて出来なくなってしまうでしょう。

独りで耐えるあなたを、独りにはしたくない。

傍にいたい。

・・・・・・だから、私は。




「やっぱり、無理です」

「!!」

「あなたを忘れることなんて、できません」

すべてを染め上げる漆黒の闇の中で、涙を流しながら眠るあなた。
それを知ってしまったら、もう戻れない。

優しく抱きしめて

「あなたはいつも独りで泣く」

ずっと傍に

「意地を張らないで下さい」

たとえ、永劫に続く咎を与えられようとも


「・・・・・・君は馬鹿だ」

「はい」

「あのまま、神の下にいれば幸福が約束されたというのに!」

「ええ」

「僕がっ・・・!僕がなんのために、ここにいると思っている!!」

「・・・・・・私のため、なのでしょう?」

「それが分かっていながら!何故、ここに戻ってきた!!・・・・・・なんのために、僕はっ」

腕の中で嘆くあなたに、私はどこか安心した。
あなたの温もりを感じられることが、ただ嬉しかった。

「私のことが嫌いになったのではないのですね?」

「自分の半神を、嫌いになるはずがないだろう!」

ああ、私は今あなたの傍にいる。
私の愛しい半神。
共に生まれた片割れ。

「父に逆らう覚悟はできています」

「・・・・・・」

「もう、独りは嫌です。あなたが傍にいない虚無感を感じるのは、はもう嫌です」

「・・・・・・」

「お願い。・・・傍に、いて」

――お願いだから。

「・・・・・・それでいいのか」

「・・・・・・っ」

「君は、後悔しないか?」

「っは、い」

「・・・・・・君は、本当に・・・救いようがないな」

そっと抱きしめられる。
あなたの体は冷たいけれど、流れる涙は暖かい。

何も見えない闇。
それ故に、互いの存在が強く感じられる。


「父は・・・・・・神は、許しはしないだろう」

「ええ」

「どんな咎を負うか分からない」

「覚悟はできています」

「・・・・・・なら」

あなたの力が膨れ上がる。
神すらも恐れる力。
あなたは破壊。私は創造。
空間を引き裂き、理を曲げ、すべてがあなたに平伏す。

さあ、行きましょう。

新たな世界を創造するために。

私達の楽園を求めて。
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自然をこよなく愛し、たまに小説なんかを書くマイペースが自慢な人間です。
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